2017/07/15

第2回 音楽の新時代

 外国TVシリーズの何が好きかといって、オープニングのモダンで力強い個性的な主題曲の音楽にまず惚れてしまった。

 特にスパイ・ブームが盛り上がっていく1960年代後半が圧倒的で『0011ナポレオン・ソロ』(1964-1968)の作曲家ジェリー・ゴールドスミス、『バットマン』のネルソン・リドル、『ハワイ5-0』(1968-1980)のモートン・スティーブンス、『スパイ大作戦』のラロ・シフリン、『インベーダー』のドミニク・フロンティア、『宇宙家族ロビンソン』『タイムトンネル』のジョン・ウィリアムズ・・・いずれもすぐに映画音楽の作曲に乗り出していって、その名を高めていく。小さな町の所沢に住む小学生・中学生だった私ですら(所沢のレコードショップで皆、売っていたのだ!)シングル・レコードを買って自宅のレコード・プレイヤーで聞いて何度も何度も聞き続けたものだ。

 映画音楽の新しい時代は、実は映画ジャンルよりひと足早くTVシリーズによって始まっていたのだ。1970年代になって気付いた実感であった。