2017/09/30

再録08 LR10 その8:兄弟作品「グリーン・ホーネット」

 「ローン・レンジャー」の作者ジョージ・W・トレンデルとフランク・ストライカーは、ローン・レンジャーの助手として後半ダン・リードというジョンの甥っ子を登場させた。

 そのダンが後に20世紀になって新聞社を起こし、その息子ブレッド・リードが警察では対抗できない犯罪者と対決するヒーローとなったのが「グリーン・ホーネット」だった。時代を越えて、現代のローン・レンジャーの活躍が描かれた。

 「グリーン・ホーネット」は1967〜8年、TV化されたが、グリーン・ホーネットの愛車ブラック・ビューティーの運転手のカンフーの達人加藤を演じたのが若き日のブルース・リーだった。静かに笑うブルース・リーの加藤は、トントの流れを組むキャラクターだった。 

 二つのヒーローが時代を越えて交流するアイデアは、この作品が最初期の物であった。作者のアイデアマンの部分がよく判ると思う。
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2017/09/29

再録07 LR10 その7:ヒット作はラジオからTVへ

 アメリカのTV初期のヒット作は「ローン・レンジャー」や「スーパーマン」、「ドラグネット」とラジオの人気番組がスライドしていった。「ローン・レンジャー」のラジオは、1933年1月、デトロイトの小さなラジオ局で始まり、すぐにアメリカ全土で放送されるようになっていく。

 オープニング・ナレーションで「光のようなスピードで走る炎のような馬、砂塵を巻き上げる熱血の男、ローン・レンジャー! ハイヨーッ、シルバー」と叫ぶ名調子で、名馬シルバーは、ローン・レンジャーの代名詞となった。

 トントの”魂の友”という意味の「キモサベ」という言葉は、ラジオの監督ジェームズ・ジュエルが作った言葉で、インディアンの言葉を知らなかったジュエルは、ミシガンの子供達が遊ぶキャンプ場の「Kee Mo Sah Bee」を大自然の象徴として「キモサベ」と造語した。

 ラジオなら馬はいななきと効果音でごまかせるが、映像となるとそうはいかない。リパブリック映画で、1938年「ローン・レンジャー」は15話で完結する連続活劇映画として登場し、映画ではいろいろな馬がシルバーを演じた。TV版ではトラベラーという名の馬が演じてローン・レンジャー役のクレイトン・ムーアは、トラベラーが耳の所だけ黒い肌がある白馬でなかったが、ひと目でトラベラーを相棒に選んだ。

 トラベラーのトレーナーのホワイティ・ヒューグスは、「トラベラーはグリフィス公園で3、4マイル走っても平然としていて、どんなスタントもこなし、そしてカメラの前でも落ち着いて演技をこなしていた」と語る。TV番組の宣伝キャンペーンでも、トラベラーはローン・レンジャー役のクレイトン・ムーアとアメリカ全土を回り、子供たちがその鼻を触っても少しも騒がず、シルバーの勇姿を子供たちに見せてくれた。TV西部劇最大の有名な馬であることは間違いないキャラクターであった。

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2017/09/27

再録06 LR10 その6:マスク・ヒーローの源流

 「ローン・レンジャー」は1933年ラジオ・ドラマとしてスタートした。翌1934年には全国的ヒットに成長。TVでも印象的なオープニング曲の「ウィリアム・テル序曲」と力強いナレーションもラジオのオープニングで完成したフォーマットで、TVドラマはそれを映像で完全再現したものだ。ラジオ・ドラマも1958年まで続いた。いかに人気があったかわかるだろう。

 すぐコミック化と連続活劇映画としてジョージ・ルーカスやスピルバークが大ファンだったリパブリック映画でシリーズ映画化され、1930年代後半から1940年代子供達を夢中にさせた。

 同時代、「ディック・トレーシー」や「スーパーマン」のラジオ&コミック&連続活劇映画のヒーローが次々に生まれたが、「怪傑ゾロ」と共に「ローン・レンジャー」がアメリカのマスク・ヒーローの原点となった。 「バットマン」も両親をギャングに殺され、凶悪な犯罪と戦う決意を固め、バットマンが誕生する。ロビンが現れるのも「ローン・レンジャー」の影響だった。

  1949年9月15日、TV化された「ローン・レンジャー」は、TV界でもっとも早く子供達を魅了したTVヒーローだった。1957年まで8年ものロング・ランとなった。

 ラジオから生まれて、映画化、TV化された時、主題歌をそのまま使うのは日本の「少年探偵団」や「赤胴鈴之助」も同じで、「ローン・レンジャー」はその先駆だった。「おのれ、ちょこざいな小僧め。名を名乗れ!」「赤胴鈴之助だ!」と映画でも有名な導入部もラジオ・ドラマだからのセリフだった。

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2017/09/26

再録05 LR10 その5:愛馬シルバーの名シーン

 ローン・レンジャーの愛馬シルバーは全身真白の白馬で、どんな悪路や山道でも快走していく名馬だった。元々は大西部の原野と緑美しい谷間を駆ける野生馬のプリンスで、何十頭もの仲間を引きつれて人間とは無縁だった。ところが谷間の水場を一人じめにする荒くれのバッファローと対決して、その角を腹に受けてシルバーは倒れ伏してしまう。

 その命が消えかけた時、リハビリで馬を走らせていたローン・レンジャーとトントが彼を見つけた。二人は治療をしてやり、何日も野宿して様子を見た。二人は馬好きだったし、若い馬の苦しみを見過ごせなかったのだ。シルバーが気がついた時、ローン・レンジャーのやさしい瞳が彼に笑いかけていた。

 シルバーはローン・レンジャーの友人となった。彼が大好きになったのだ。全身真白の姿からローン・レンジャーはシルバーと名づけた。力強く走るそのスピードは、どの馬にも負けない。ローン・レンジャーとトントしか、シルバーは乗せようとしない。

 西部劇ヒーロー数あれど、シルバーのような愛馬がセットになっているのはローン・レンジャーだけだ。アメリカではシルバーに乗ったローン・レンジャーの人形オモチャが大ヒット。「ハイヨーッ、シルバー!」と両前足を上げていななくシルバーの名シーンはこの作品の代名詞だ。トントの愛馬はスカウト(偵察)という。

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2017/09/25

再録04 LR10 その4:相棒トントとの友情

 ローン・レンジャーを助けるインディアンのトント。いつも静かに笑うトントは頼りになる相棒だが、彼が少年時代、凶悪なインディアンに襲撃され、村は全滅、両親も死んでしまった。傷ついた彼を助けたのが若き日の冒険家ジョン・リードだった。彼は親切にトントの傷を治し、彼を世話してくれた。

  ただひとり、谷間で暮らしていたトントは瀕死のジョンを発見して、献身的に看病した。そして悪と戦う決意を聞かされ、自分も共に協力したいと語りかけた。トントはローン・レンジャーのことを「キモサベ!」と呼ぶ。インディアンの言葉で、「誠実なる友、魂の友人」という意味だ。インディアンだからといって、決して差別しないローン・レンジャー。深い信頼と友情で二人は結ばれている。こんなヒーロは初めてだった。

  アメリカ、日本ともオモチャの銃を手に、ローン・レンジャーごっこでは必ず「キモサベ」とつぶやくトント役の少年もいた。トントは少年達にも多くのファンを持つ名脇役だった。

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2017/09/23

再録03 LR10 その3:潜入捜査の達人

 ローン・レンジャーは悪人を追撃する時、その黒マスクを利用して、悪人の一味に潜入していく。その時、何種類もの声を使いわけて、まるで無法者のようにふるまうのだ。ローン・レンジャーは挌闘の名手で、どんな乱暴者の犯罪者も殴り倒してしまう。その早射ちの技は、どんなギャングでも舌をまいてしまう。トントも悪人になりすまして、情報を探り出す名人で凶悪なインディアン ”赤い犬” という異名も使っている。黒マスクのヒーローだからできる捜査テクニックだ。

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再録02 LR10 その2:2丁拳銃とその弾丸

 ローン・レンジャーの両方のホルスターには銀でメッキされた愛用の拳銃が納められている。グリップは象牙で作られ、正確無比な連発銃だ。ホルスターには48発の弾丸が並ぶが、それは全て銀で作られた特別製の弾丸だ。ジョンが兄ダンと共に受けついだ秘密の銀山で掘られた銀から精製した弾丸だ。早射ちの名手ローン・レンジャーは相手の銃や腕を射って、決して殺人はしない。犯罪を憎みながら、人殺しを許さない、その無敵のガンマンぶりが子供達を夢中にさせたのだ。銀の弾丸は彼の代名詞で、保安官や騎兵隊にはそれを見せると「君がローン・レンジャーか!」と驚く名シーンが何度もあった。ちなみに相棒のインディアンのトントは、左側のホルスターに銃、右側にナイフをつけ、ナイフ投げの名手だった。二人の得意技が違うのも名アイデアだった。

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