■『ハッピー・ディズ』の国民的キャラクター、あの‘フォンジー’が総合プロデュース
第1シーズンの中心ライターがスティーブン・カンデル。この人は『ロックフォードの事件メモ』とか『特攻野郎Aチーム』とかをやっていて、アクションの男性キャラクターを書かせればともかく超一級。この人がシリーズ構成をしているんです。
さらに、製作者がジョン・リッチというベテランの人と、ヘンリー・ウィンクラー。ウィンクラーは、アメリカでは『ハッピー・ディズ』のフォンジーというキャラクターを演じて国民的遺恨と呼ばれている人です。映画『アメリカン・グラフティ』とTVシリーズ『ハッピー・ディズ』は、アメリカの50年代を描いた青春ドラマの双璧なんですよ。何しろ、スミソニアン博物館に彼の来た革ジャンが「フォンジーの着た革ジャン」として展示されているといますから。
フォンジーは、学校にはでてくるんだけど、いつもバイクのことと音楽のことしか考えてなくて、自分でバイクの修理屋みたいなことをアルバイトでやっていて、それでちゃっかり稼いでいるという、その頃の不良高校生の設定なんですね。そしてプレスリーに最初に気がつく世代の男の子で、ある種『アメリカン・グラフティ』よりも『ハッピー・ディズ』の彼のほうが、50年代のアメリカがまだ幸せだった時代の象徴なんです。
そのヘンリー・ヴィンクラーが役者を辞めたあと『マクガイバー』の総合プロデューサーになっている。それが多分、レギュラー陣のキャスティングが異常なぐらいアンサンブルがとれている理由だと思います。
「パラマウント・ビデオ・ホームページ:海外テレビドラマ評論家 池田憲章が語る!」 2005年 再録
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