実は今は廃刊となったアメリカ版「STARLOG」をチェックして色々と記事を調べなおしているのですが、やっぱり製作者による長文のインタビューは今になって見直したらなるほどと思うところや当時は気がつかなかったことがよくありました。
例えば『素晴らしき日々』や『ドーソンズ・クリーク』のジョン・ハーモン・フェルドマンが2003年にタイムトラベルSFの『トゥルー・コーリング』を製作していますが、この人『ロズウェル』の第一シーズンの脚本とかも書いているのでSFも好きなのかな、と思ってインタビュー記事を読んだらどうやら『トゥルー・コーリング』の発想の元は1998年のドイツ映画『ラン・ローラ・ラン』らしいのです。恋人の窮状を救うために20分で10万マルクの金を得ようとベルリンの街を疾走するローラの姿(途中でアニメになるバージョンもあったような気がする)は確かに『トゥルー・コーリング』のパイロットでニューヨークを疾走するトゥルー(エリザ・ダシュク)を彷彿とさせます。(もっとも、エリザ・ダシュクの方がグラマーでしたが)
この映画は3パートで構成されていてローラの金集めの試みが成功しないバージョンをやったあとでもう一つの可能性として再度同じシチュエーションからスタートするというものでした。ただし、記憶は引き継がれないのでリプレイではない。つまり巻き戻しというよりも運命の再挑戦という描写でした。要するに『トゥルー・コーリング』というのはタイムトラベルではなく、この映画の“二度目の挑戦”の部分を膨らませたものだったのです。
いや、それが判ったからどうということはないのですけれども、この作品で優先されるのはSF的整合性ではなく、ヒロインの疾走だということが判ったらなんとなく作品の注目点もまた変わってくるような気がしました。
しかし、2003年当時の「STARLOG」を読んでみたらけっこう宇宙SFが放映しているではないですか。宇宙SFというのは90年代がピークだったような印象だったのですけれども、ゼロ年代前半にも結構傑作揃い(いや、むしろこの時期の方が名作が多い)だったのだなと思ってしまいます。
(リストは次の記事から)
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