2017/09/08

TVF07 池田→松岡(2017年6月6日)

 9位の『ザ・ラストシップ』は、死病のパンデミック物だと思わせる出だしから、ミリタリー物の変形としてアメリカの国家再建物に味わいに変わっていって、最新鋭の軍事知識もみるみるバトル・シーンに生かされる切れ味がよくて終末物のゾンビ物に飽きてきた中でシーズンが進む度に善戦している作り手に感心して。

 10位の『スーパーガール』は『ヤング・スーパーマン』にほとんど興味を持てない反作用で、ほとんど設定の無いフォーマット、人物を組み直し、よくこのキャストと物語世界、戦う対立軸を作ったなと感心したため。同傾向の『アロー』、『フラッシュ』より『スーパーガール』が好みなのは主人公の良さ(まず暗くならないのが good!)、主役の彼女です。シリアスぶったスーパーマンには興味が持てないのです。なんか映画『スーパーマン』シリーズの劣化したコピーの延長のように見えてしまうのです。

 11位『4400』は映像の美しさ、クールな透明感のヴィジュアル、第一シーズンの鮮やかさ。映像がスタイルを持っていて、アイデアもいいんですが、ムードがある。第二シーズンまでドキドキして見ていました。その映像に見惚れることが見る気になるのです。

 12位の『スタートレック/エンタープライズ』は前夜ストーリーで成功させるのは至難の技なのに、やはりスコット・バクラを中心にレギュラー陣の演技力と近未来の宇宙軍団と苦闘して突破していくエンジニアの話は面白い(どこかロバート・A・ハインラインやA・C・クラークの香りを感じる私は変でしょうか?)。ストーリーも“よく考えたな、この話”というのが何回かあって、宇宙SFってまだやり方次第と思いました。

 13位の『スーパーナチュラル』。やはりこういう怪奇ハンターのバディ物は、TVホラーにいつまでも続いて欲しい。まるでアメリカ版『ゲゲゲの鬼太郎』。『デッドゾーン』も好みです。

 14位『エージェント・オブ・シールド』。マスクマン以外のスパイ組織の大人物の戦隊物の大きな可能性を感じます。私は『Xメン』や『アヴンジャーズ』の映画版よりも楽しんで見ています。主人公を5人集めるというコンセプトが本流じゃないー『秘密戦隊ゴレンジャー』のスタッフ総打ち合わせの時、吉川進プロデューサーが「『仮面ライダー』を5人集めたドラマじゃダメなんだ!」と力説した。5人が力を合わせた時、10倍のパワーになるというのは至言だと思うのです。日本もアメリカも40人や20人以上ヒーローを集めてどうするのでしょう。作っている現場スタッフの苦労を上層部の企画、プロデューサーが何も考えていない。未来はそこにはないのです。

 15位の『パーソンズ・オブ・インタレスト』はあれだけのアイデア、設定の世界を作っておいて、人間の善意を勝たせたいというスタッフの気迫が好きなのです。

 次点の『ウエストワールド』は、映像と演出、演技、日本語版のキャストの名演、すべてがレベルが違う。この第一シーズンに続きがあるのがオドロキですが、第一話、最終回二部作で息をのんだ傑作でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿

 コメントへの対応は、時間がかかる場合があります。ご了承下さい。