2017/08/28

第20回 TVのSF作家ロッド・サーリング(後編)

 ロッド・サーリングは人生の不安や社会の問題性を熱く見つめて訴える問題作を1950年代書き続け、エミー賞オリジナル・ドラマ部門を3年連続で受賞した。

 しかし、アメリカTV界は『アイラブ・ルーシー』や『パパは何でも知っている』みたいなホームコメディ、『ガンスモーク』や『コルト45』といったウエスタン『ドラグネット』や『ハイウェイ・パトロール』といったアクション・ミステリーのレギュラー番組の方が評判も視聴率も良く、問題作はTV局もスポンサーも敬遠するというか、熱意が明らかになくなっていった。ロッド・サーリングはその中でTVドラマの人間を描いていくドラマとSFやファンタジー・ホラーの驚くべき人間批評とストーリーの面白さを合体してみたらどうなるだろうかと考え『THE TWILIGHT ZONE』を企画した。

 ただ、才能のあるSFとドラマを理解してくれる脚本を集めるため、サーリングはSF作家のリチャード・マシスン、チャールズ・ボーモントに相談(SF作家のレイ・ブラッドベリが勧めてくれたのだ)、やがてジョージ・クレイトン・ジョンソン、ジェリー・ソール、チャド・オリバーとカリフォルニア在住の若手SF作家が参加することになる。世界SF大会はこの作品に3年連続でヒューゴー賞最優秀映像賞を与えることになる。『ミステリーゾーン』はSFファンが待ちに待ったSFドラマ作品なのだった。

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