アメリカだろうと、イギリス・日本でも『宇宙家族ロビンソン』の人気ナンバーワンのキャラクターは環境調査ロボット・フライディだった。フライディと名前がついているのは日本版だけで英語では「ロボット」か機体ナンバーで呼ばれていた。
日本では放送していたTBSが視聴者にロボットの名前の公募を行っていて、『ロビンソン・クルーソーの冒険』のイメージで執事みたいだからと「フライディ」が多数応募されたのだ。本当の原作イメージではスイスのフローネ一家のイメージなのだが、アニメ化されるまでフローネ一家の物語は日本では知られていなかった。
フライディを見たとき、人間の顔を持っていない工業デザインを思わせるロボット・フェイスにびっくり仰天してしまった。日本では『鉄腕アトム』や『鉄人28号』『8マン』と人間タイプのフェイスが当たり前だった。ボブ木下美術監督のデザインで、頭上の透明なドーナツ状のパーツ、フェイス部分の透明プラスチックのリング状のパーツが20世紀FOX撮影所の美術スタッフでは作れなかった。
ボブ木下は戦後、合成樹脂やプラスチックの家具メーカーで働いていた旧知の外部の会社に発注、金属パーツの胴体、マジックハンド状の腕、一体整形でも走れるキャラピラ走行の足と宇宙開発用ロボットの新イメージを生んだ。『宇宙戦艦ヤマト』のアナライザーにも影響を与えていて、マシン・ボイスで話すのもナチュラルだった。
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