2017/08/28

第24回 合成が圧巻の『アウターリミッツ』

 『ミステリー・ゾーン』が見られたのは中学1年生になってからで、私にとっては初のSF体験ともいうべきアメリカのSFTV番組は、小学校4年生で見た『アウターリミッツ』だった。

「あなたのテレビが故障しているわけではありません。我々が映像をコントロールしているのです・・・」

と重々しい若山弦蔵さんのナレーションで始まるオープニングに「何だ?」とまずびっくり。

 日本語版ディレクターは後にTV劇場映画の日本語版で『荒野の七人』『ローマの休日』他数々の演出をした東北新社の小林守夫氏。『インベーダー』の日本語版ディレクターでもある。「原語版の英語が重々しいナレーションで若山さんを起用してうまくいきました」と小林ディレクターは語る。「僕はSFだとはあまり意識しませんでした。気味の悪いストーリーが多くて、どれだけシリアスなムードでいけるかというのは考えましたね」と小林ディレクターは笑っていた。SFです、SFですと押してしまうと怪奇的な作品のムードが薄まってしまうからだ。

 とにかく怖い描写が多くて、4歳年上の兄とフトンの中で「ヒェー!」と覗き見ていた。宇宙生物(アメーバ状)が科学者の身体を乗っ取る描写でも手に触ると「ギャー!」と痛みに絶叫するなど、身体と心が切り離される痛みが出ていて、見ていて震え上がった。特殊メイクだけでなく、合成を多用して、特撮の新世紀を感じさせた1時間のドラマだった。

0 件のコメント:

コメントを投稿

 コメントへの対応は、時間がかかる場合があります。ご了承下さい。