2017/08/30

第73回 なんとも楽しい『0088ワイルド・ウエスト』

 『0088ワイルド・ウエスト』(1965-69)はフジテレビ系、東京12チャンネル系で放送されたが、日本語版のキャストはウエスト役を野沢那智、ゴードン役をベテラン大塚周夫と最高のキャスティングで版権を持つワーナーブラザーズTVが非力で日本ではまったく再放送しないのが残念でならない。

 ウエスト役のマイケル・コンラッドは、ワーナーブラザーズTVの『ハワイアン・アイ』で私立探偵チームの一人を演じ、人気者になったが、特撮ファンには『フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン』『怪獣大戦争』でおなじみの俳優だったニック・アダムスの愛弟子であった。下積みの長かったニック・アダムスは若手の俳優を集めて、乗馬や格闘テクニック(マーシャル・アーツの達人だった)投げ縄や銃さばきを自分の牧場で教えていて、コンラッドはその出世頭だった。だからマイケル・コンラッドは、どんなアクションシーンでもスタントマンを使わず自分で演じて、二階からロープで下へ降りていくシーンで壁に直撃して救急車で病院へ直行と3度も病院へ入っても平気でアクションをやり続けた。

 ゴードンの七変化ぶりも見せ場で、メーキャップはフレッド・フィリップスが仕切り、『スタートレック』の特殊メイクのスタッフがも担当しただけあって、ロス・マーチンの表情を生かしながら、ユーモラスに七変化を盛り上げ、陽気な作品タッチに貢献した。

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