2017/08/30

第95回 Q、そしてボーグと『新スタートレック』の快進撃!

 『新スタートレック』の第一シーズンは『スタートレック』当時のスタッフだったD.C.フォンタナが脚本を書いたり、第一話にドクター・マッコイのデフォレスト・ケリーが出演したり、旧シリーズ・ファンへの配慮がどこかにあって「ううむ・・・いいんだけど」と人気作品の続きというのは難しいなあというのが実感であった。

 だが、第1話に登場したQという惑星連邦をはるかに超えた宇宙文明の使者のストーリーは「何かがこのTVシリーズで始まるのでは?」とSFファンをゾクゾクさせた。そしてそれはガイナン(ウーピー・ゴールドバーグの快演!)が語り手になるボーグとの遭遇によって覚醒した。SFファンは宇宙テーマでいつの日かオーバーロード、ハルマゲドンに似た究極の敵と出会うストーリーを夢見ているものなのだが『スタートレック』宇宙の中でまさにそれを目撃体験することになったのだ。

 ボーグの出現とその戦いを描く中でSFTVシリーズのレベルは『スターウォーズ』サーガを超えることになった。『新スタートレック』は、やがて脚本メンバーの中からブラノン・ブラガたち新しいプロデューサー、シリーズ構成のスタッフを育て上げ、『スタートレックDS9』『スタートレック/ヴォイジャー』『スタートレック/エンタープライズ』と宇宙SFとして空前のスペース・ドラマ・サーガを生んでいくことになる。

 『新スタートレック』の製作途中でジーン・ロッデンベリーは亡くなるが、まさに新世代のスタッフに『スタートレック』宇宙は託されることになるのである。

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