2017/08/30

第58回 奇才!デニス・スプーナーのアイデア

 霧に包まれた朝方の地方町、よく見ると地上に倒れ伏している町の人々が何十人も倒れている。すると宇宙服のような気密服で歩いている何十人もの姿が。いったい何が起こったのか・・・オープニングが始まる。『秘密指令S』の一編だが、デニス・スプーナーのイメージが判るだろうか。

 モンティ・バーマン製作、シリーズ構成・メイン脚本デニス・スプーナー、シリーズ監督(第一話を監督、キャスティングと一話をどれぐらいの予算、スケジュールで撮るのかをコントロールすると本人が語っていた)のシリル・フランケルのトリオはITC製作で国際諜報機関ネメシスの3人の情報部員クレイグ、リチャード、シャロンの3人が中国のチベット奥地にある最近兵器の研究所から細菌を盗み、脱出する途中に飛行機でヒマラヤ山中に墜落、謎のスーパー文明の手で助けられ、超能力を与えられて超人的な活動でスパイとして活躍するという『電撃スパイ作戦』(1968-69)。

 ホップカークにランドールという2人の私立探偵の1人、ホップカークが事件の調査中に殺されてしまう。だが、ホップカークは幽霊になってランドールの前に現れ、ユーレイ+私立探偵の迷コンビの探偵稼業が始まっていくユーモア・ミステリTV『幽霊探偵ホップカーク』とイギリスならではの作品を1960年代後半作り続けていく。後にスプーナーは『特捜班CI-5』のシリーズ構成も手がけ、1970年代のイギリスTVの新しいアクション作品のハードタッチの波を生んでいった。アイデア・メーカーの才人であった。

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