2017/08/30

第68回 90分枠を開発した『ネーム・オブ・ザ・ゲーム』

 ユニヴァーサルTVが90分の大型ドラマの形で連続TVドラマシリーズを作り出した時、「こういうやり方が成立するのか!?」というショックがあった。『ネーム・オブ・ザ・ゲーム』がそれで犯罪実話のレポートやミステリが載る雑誌の出版社社長(ジーン・バリー)、刑事上がりの編集長(ロバート・スタック)、あらゆる事件や社会問題を追いかける事件記者(トニー・フランシオサ)の3人が主人公で毎回一人一人が主役になっていろいろなタイプのクライム・ストーリーが毎回完結で描かれていく。

 『バークにまかせろ』(1963-66)の主役ジーン・バリーに『アンタッチャブル』のエリオット・ネス役のロバート・スタックの存在感が圧倒的で何人ものプロデューサーが分担して作品を製作した。作品の出来としては若手のトニー・フランシオサを使って社会問題を追うレスリー・スティーブンス製作、監督のパートがいい仕上がりで、『アウターリミッツ』や『スパイのライセンス』(1968-70)で知っていたレスリー・スティーブンスの面目を一新した作品だった。

 日本では未放送の後ろのシーズンで、100年後のこの出版社の事件を描いたスティーブン・スピルバーグ監督のエピソードが評判を呼んで『刑事コロンボ/構想の死角』と共にスピルバーグという存在にTVファンが最初に気づくきっかけとなった作品として有名になった。

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