2017/08/30

第43回 日本でのナポレオン・ソロ人気

 『0011ナポレオン・ソロ』は日本テレビ系で放送され、配給会社はトランス・グローバルで、『バットマン』や『宇宙家族ロビンソン』と同社が絶好調の頃の日本語版だった。翻訳は篠原慎、『バークにまかせろ』に続く担当で『バークにまかせろ』で自由に日本語版でセリフをアレンジするコツをつかんだ篠原慎と日本テレビの吉川文武プロデューサーのコンビは『0011ナポレオン・ソロ』の日本語版でそのやり方を完成させた。ナポレオン・ソロ役の矢島正明、イリヤ・クリヤキン役の野沢那智、ウェイバリー役の島宇志男は一代の当たり役で、そのスマートでこなれた日本語版は外国TVシリーズの世界を一段と日本人にとって身近な世界に変えていった。

 漫画化を、後に『ゴルゴ13』を描く さいとうたかを が手がけ、U.N.C.L.E.という秘密組織のネーミング、0011というコードナンバー、アンクル・タイプの銃やアンクル・カーに装備された銃や特殊武器のギミック性、チームの編成で日本のTVシリーズ(東映の『キイハンター』『スパイキャッチャーJ3』とか)、漫画(『秘密探偵JA』『スカイヤーズ5』とか)、映画、小説に多くの影響を生み出した。

 アメリカでは前後編で放送したTVシリーズ2本を少しの編集と撮り足しで編集した『0011ナポレオン・ソロ』の映画も次々にヨーロッパ、日本で公開され、MGCや中田商店のモデルガンでもアンクル・タイプが発売。『007』の映画と『ナポレオン・ソロ』の毎週のTVシリーズがスパイ・ブームの両輪となっていったのである。

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