2017/08/30

第59回 脚本家ブライアン・クレメンスの夢宇宙

 イギリスで1961~69年放送された『おしゃれ秘探偵』(原題『AVENGERS』)は脚本家ブライアン・クレメンスが文字通り育てていったヒット番組だったが、ブライアン・クレメンスとデニス・スプーナーは親友だった。1966年頃、『おしゃれ秘探偵』と『電撃スパイ作戦』は同じ撮影所の別ステージで撮影していた。だから、昼のランチはクレメンスとスプーナーはいつも一緒に食べていた。「こんなストーリーをまず思いついたんだが、後半が難しいんだよ」とクレメンス。「それならこういうアイデアがある。どう思う?」とスプーナー。「なんなら僕が脚本を書いてやろうか?」とクレメンス。

 だから『電撃スパイ作戦』の中にいきなりブライアン・クレメンスの脚本が出てきたり、『おしゃれ秘探偵』の中にスプーナーの脚本が現れたりしたのだ。

 ブライアン・クレメンスは『The New Avengers』をイギリスとフランスの合作で製作した後、『特捜班CI-5』をシドニー・ヘイヤーズ、デニス・スプーナーたちと製作、イギリスきってのストーリー・テラーとしてTV界で活躍し続けた。

 2016年に亡くなったが、私が最も大好きだったTV脚本家の一人だった。

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