2017/08/28

第32回 デジルプロから続く新企画

 『スパイ大作戦』をデジル・プロで制作して、第一話の脚本でブルース・ゲラーはエミー賞脚本部門を受賞する。

 『バークにまかせろ』で面白い脚本を書いていたバリー・レヴィンソンとウィリアム・リンク(後に『刑事コロンボ』を企画・製作する)が企画したタフな私立探偵のマニックスを主人公にした『鬼探偵マニックス』もデジル・プロでスタートさせ、7年間ものロングヒットドラマに育て上げた。主演はマイク・コナーズだがこれもルシル・ボールの「私、マイク・コナーズが大スキ。女にとって彼はとても魅かれるところがあってこの作品をやったほうがいい」とそのキャスト表に賛成したことによる。

 警官上がりの脚本家で、プロデューサーでもあったジーン・ロッデンベリーもCBSTVにある番組の企画を持ち込むが、CBSはアーウィン・アレンの『宇宙家族ロビンソン』の方を先に買っていて、その企画を売り込むことが出来なかった。ロッデンベリーはデジル・プロに企画を持ち込み、プロデューサーのウィリアム・セルフが窓口になって注文し、設定・キャストを修復してパイロット・フィルムが2本作られ、やっとGOサインが出る『スタートレック』がその番組の名称であった。

 ルシル・ボールがある日セルフプロデューサーに「そういえば、エンタープライズ号の航海物はどの辺で撮影するの?」と聞いた。「え、社長、あれは宇宙物のSFですが・・・」「えっ、宇宙物なの? 任せるわね、キャストが大事よ」セルフには自信があった。ウィリアム・シャトナーとレオナード・ニモイにある手ごたえがあったからだ。

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