2017/08/30

第79回 『600万ドルの男』は誰のもの?

 『600万ドルの男/サイボーグ危機一発』はTVムービーからスタートした。ハーブ・ベネットがプロデューサー、科学ジャーナリストでSF作家でもあったマーティン・ケイデンの原作で後に『ヒルストリート・ブルース』を製作するスチーブン・ボチコがペンネームで脚本を書き、肉体がマシーンに拒絶反応を起こしたり、評判もよくTVシリーズ化が決定した。

 主人公スティーブ・オースティン役のリー・メジャーズは西部劇のヒットTV『バークレイ牧場』でアメリカ中に知られる俳優であった。ユニヴァーサルTVは途中からハーブ・ベネットからグレン・A・ラーソンにプロデューサーを変えた。グレン・A・ラーソンはさっそく美女に囲まれたスティーブ・オースティンのスチール写真を作り、難しい事件やスパイなどに苦しめられる女性キャラをバイオニックのスーパー・パワーで軽快に助けるアドベンチャー作品として『600万ドルの男』を作りかえていく。

 雪男のようなビッグフットと戦ったり、宇宙人の円盤が出てくるわ、グレン・A・ラーソンはバイオニック・パワーと戦う敵に様々なSFキャラを用意していく。一般の視聴者と女性ファンの人気は得るのだが、SFファンは首をかしげるばかり。子供向けで『サイボーグ009』や『8マン』を見ていた日本のファンは複雑な心境で見ていたTVシリーズだった。

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