2017/08/30

第85回 美しきファイティング・レディーたち

 『サンダーバード』の6輪の未来型ロ-ルスロイスに乗るレディー・ペネロープ(シルビア・アンダーソンが声を担当し、日本版の声は黒柳徹子)は女性版の007というイメージだったが、次回作の『キャプテン・スカーレット』でスペクトラムの戦闘機部隊に乗るシンフォニーたち5人の女性部隊に放送当時びっくりしたものだ。

 だって『ウルトラマン』のアキコ隊員は通信担当、『ウルトラセブン』の友里アンヌ隊員はメディカル・センター勤務、『スタートレック/宇宙大作戦』のウフーラ(日本ではウーラ)は通信主任、いかに女性キャラクターとして突出していたか判る。副プロデューサー格のシルビア・アンダーソン、人形造形と操作の主任クリスティン・グランビル、その助手メアリー・ターナーと女性が中心にいた人形スタジオのムードも後押ししたのだろう。

 イギリスでは1961~69年『おしゃれ秘探偵』の中で、皮製上下のジャンプ・スーツにハイブーツで1000ccのトライアンフ・バイクに乗り、柔道で男を投げとばすヒロイン、キャシー・ゲイル(オナー・ブラックマン)、同じ上下の黒のボディラインが美しいジャンプ・スーツのこちらは空手の使い手ミセス・エマ・ピール(ダイアナ・リグ)と美しいファイティング・ビューティー(二人とも映画『007』のボンド・ガールに引き抜かれた)が人気を呼んでいて、モデルのツゥイギーもそうなのだが、女性の新しい時代はイギリスから始まっていたのである。

 アーロン・スペリング製作の『ハニーにおまかせ』のハニー(アン・フランシス)も『おしゃれ秘探偵』のエマ・ピールが元ネタなのだから、イギリス・レディはやるのである。中でも『謎の円盤UFO』は月面基地のエリス中尉や行動派のレイク大佐と女性キャラが抜群のSFTVシリーズであった。

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