2017/08/30

第64回 ミッド・シーズン開始の 『インベーダー』

 アメリカのTV番組は1年分26回が基本(今は22回が多い)で、残りは再放送で、そこで視聴率、評判が高い番組が続行可となるのだが、時に新番組が最初から視聴率が伸びず、評判も悪くて急遽キャンセルとなってミッド・シーズン17回分として新番組が始まることがある。『ミステリー・ゾーン』の1時間バージョン、第四シーズンがそうだし、クイン・マーチンプロの『インベーダー』(1967-68)がそうであった。

 『インベーダー』の企画は『刑事コロンボ』の凝った脚本で知られるラリー・コーエンで映画『空の大怪獣Q』や『マニアック・コップ』の脚本を書く異才の人であった。当初、週2回放送30分2本で1話になるバイ・ウィークリー形式の放送を狙っていて、20世紀FOX-TVのスキャンダル恋愛模様『ペイトン・プレイス物語』、『バットマン』が成功していたからだ。だが、クイン・マーチンは地方局へのセールス、海外セールスいそのやり方は難があると言い出し、毎週60分の形にしたいと言い出した。「それでは話が違う」とコーエンは降板し、アラン・A・アーマープロデューサーが設定を一新した。

 まず作ったのがオープニングで「滅びゆく星からの侵略者、彼らをインベーダーと呼ぼう」という部分だった。音楽は『アウターリミッツ』や『ラットパトロール』(1966-68)のドミニク・フロンティア。画面が中央でギザギザに切れるタイトルも印象的だった。映像を次々に積み重ねて観客を追い詰めていくジョセフ・サージェント監督と感情を押してエモーションの高まりで魅せるポール・ウェスドン監督の2人が中心になって迫真のドラマが生まれ、第一シーズンはベスト20の視聴率で注目されたシリーズだった。

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