2017/08/30

第41回 『0011ナポレオン・ソロ』の誕生

 イギリスのミステリー作家イアン・フレミングが書いたイギリス情報部のスパイ、ジェームズ・ボンドが活躍する『007』シリーズはベストセラーになって映画化されて大ヒット、世界にスパイ・ブームを作り出した。

 アメリカではNBCがプロデューサーのノーマン・フェルトンに「イアン・フレミングにTV用のスパイ物を考えてもらったらどうだ?」と依頼、フェルトンはフレミングにコンタクトするのだが、フレミングは忙しく、主人公のナポレオン・ソロという名前と相棒の女性エイプリル・ダンサーの名前を考えてくれただけであった。

 フェルトンは企画の名手サム・ロルフに作品設定を考えてくれと頼み込んだ。サム・ロルフは、アメリカ社会がベトナム戦争の悪化や冷戦問題のムードである重さを感じていると考えて、今は明るくスマートな主人公のほうがいいだろうと、国際的な犯罪や陰謀、テロと秘密裏に戦う国際秘密情報機関U.N.C.L.E.と国際犯罪グループS.L.U.S.H.(スラッシュ)との攻防というフォーマットとアメリカ人のダンディでスマートな主人公ナポレオン・ソロ(ロバート・ヴォーン)と相棒でロシア人でブロンドの青年イリア・クリアキン(デビッド・マッカラム)、老練なイギリス人上司のウェイバー課長(レオ・G・キャロル)という40ページの設定を作り上げ、“SOLO”というパイロット・フィルムの脚本を書きあげた。

 MGM-TVが製作、NBCが1964年から放送開始すると大ヒット。アメリカ、イギリス、ヨーロッパ、日本とこの番組は大人気の評判を呼ぶことになった。

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