大手の映画会社系のプロダクションでは通らない番組企画もデジル・プロだと評価されることが時々あった。なぜなら映画界で長い間活躍してきた社長ルシル・ボールが作品の魅力を見抜くビジネス・センスを持っていたからだ。
脚本の名手だったプロデューサーのブルース・ゲラーが番組企画と第一話の脚本を書いて、TV局のCBSに売り込んだがCBSにはその面白さが判らなかった。企画を諦められないブルース・ゲラーはデジル・プロに企画と脚本を持ち込んだ。「どうでしょう?」と。その脚本を読んだルシル・ボールは「ブルース・ゲラーの脚本は素晴らしい!音楽はラロ・シフリンですって? 絶対よくなるわ。私のポケット・マネーの150万ドルでパイロットを作りましょう。TV局はどこでも売れるわよ」とGOサインを出す。それが『スパイ大作戦』だった。試写を見たCBSはあわてて「是非CBSに売ってほしい」と1年分の予算を用意して契約した。独立プロの気迫が新ジャンルを生み出すのだ。
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