2017/08/30

第49回 ドクター・スミスの持つインパクト

 1990年代に『宇宙家族ロビンソン』のファン大会があって、ウィル役のビル・ムーミーが現れて大歓声となるが、なんと一番バカ受けするのはドクタ-・スミス役のジョナサン・ハリスの登場だった。

 さっそうと右手をドクター・スミス得意のポーズ「諸君、恐ることなかれ、ドクター・スミスここにあり」「どんな敵もひとひねりですぞー(ニヤリ)」ジョナサン・ハリスのインタビューを読むと単なるゲスト俳優ではなく「自分では毎回出るスペシャル・ゲストスターのつもりで必ず場をさらってやろうと考えていた」と語っていた。ふと気がついてみると毎回出ているオープニングのクレジットもスペシャル・ゲストスターになっているじゃないか!?「ロボットとのやりとりは一人芝居の面もあって表情や仕草、けっとばしたりベーと舌を出してバカにしたり表情の出ないロボットの分までこっちが動かなくちゃ、だんだんいい味が出てきてドクター・スミスとロボットのシーンが面白いとよくファンに言われたよ」ハリスは笑う。

 日本語版は山田実が翻訳してハリスのセリフを見事に日本語に組み替えた。『ひょっこりようたん島』の海賊トラヒゲ役でブレイク中の熊倉一雄がドクター・スミスを演じて、ハリスの表情、仕草を声の演技力でさらにパワーアップして見せた。一代の名演だった。悪役なのになぜが気になるキャラクター、ドクター・スミスはまさに悪役中のトリック・スターであった。

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