2017/08/30

第88回 『エアウルフ』のダイナミズム

 昔、岩井田雅行さん、徳木吉春さんと私でグループNUTSの事務所を世田谷の若林で進めていた時(全員の持つ外国TVの英語の文献や「テレビジョン・エイジ」を持ち寄って共通の資料にしていた)アメリカから最新のTVドラマシリーズのビデオを録画して送ってもらっていて「これは面白そうだね」と岩井田さん、徳木さんが言ったのが『エアウルフ』だった。

 ドナルド・P・ベルサリオがプロデューサー、脚本を手がけ、新兵器の未来戦闘ヘリコプターのエアウルフを奪取した主人公(ジャン・マイケル・ビンセント)がCIAのホークアイ部長の特命を受け、世界中に出撃してテロリスト集団や某国の陰謀をぶっ飛ばす。SFタッチの味わいがキナ臭い軍事物の香りを薄めていてベルサリオの個性がはっきりしていた。ベテラン俳優アーネスト・ボーグナインが相棒をつとめて、このキャスティングの巧みさは特筆物だった。

 『エアウルフ』はグレン・A・ラーソンの『ナイトライダー』と共にコンピューターとデジタルの時代の前触れなのに、メカニックのスタント・チームが体をはって映像を作り上げていた。1980年代、キャネル、ラーソン、ベルサリオの新鋭プロデューサーの企画が次々と新時代を呼ぶ時代となったのだ。

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