2017/08/30

第91回 『おかしな二人』とゲーリー・マーシャル

 1960年代の『底抜け中隊』(F-TROOPS)という軍隊コメディのTVでゲーリー・マーシャルは知っていたけれど、プロデューサーとして意識したのは1970年代のニール・サイモン原作のTVコメディ『おかしな二人』を見てからだ。名優ウォルター・マッソー主演で映画化もされたけれど、私にはTVシリーズの方が印象に残っている。

 ジャック・クラグマン(日本語版の声は大平透)の演じるスポーツ・ライターのオスカーは何でも片付けられない新聞記者上がりのライターで、寝床から机の上、部屋は散らかりっぱなし、とにかく仕事が出来てビールが飲めてメシが喰えればそれで良し。対するトニー・ランドール(日本語版は近石真介、後には小松政夫が演じた)演じるカメラマンは清潔好きで整理魔で、道にタバコが落ちていても拾わずには気がすまないマジメが主義のカタブツ。その40代の2人がなぜかルームメイトで同居している珍騒動の毎日・・・人間、変人で何が悪いという、いかにもアメリカ人の本音が透けて見えるテーマが痛快で、エミー賞も受賞したコメディ作品の一級品だった。

 ゲーリー・マーシャルは続けて、今は監督として有名なロン・ハワードやヘンリー・ウィンクラーが主演の1950年代の青春コメディ『ハッピー・デイズ』、『ラバーン&シャーリー』とヒット作を連発、ゲーリー・マーシャル本人の役でコメディ作品に出てきたりTVコメディの名物オヤジの扱いだった。2016年惜しくも亡くなったが、アメリカではいつも再放送しているTVコメディのプロデューサーとして多くのファンに愛され続けている才人だった。

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