そして翻訳の最初の作品が『ミスター・エド』であった。しゃべる馬のエドの声を担当した落語家の三遊亭小金馬の出演交渉には上村伴次郎社長が自ら出かけてOKをもらってきたエピソードもある。
日本語版の内池望博ディレクターは語る。
「それまで、翻訳は字幕や小説の翻訳家をやっていた方が多くて、役者が話すとうまくはまらない訳が多かった。“この人、芝居やったことないな” とすぐ判った。僕らは高校の頃から舞台やってますからね。木原たけしは役者だったからセリフのこと知ってるし、コメディならなおさらですよ。『ミスター・エド』もよかったし、『奥様は魔女』もとても翻訳が良かった。それでももう一工夫日本語のギャグにしようと、アフレコの前夜、台本は直し続けましたけどね。」
『奥さまは魔女』はたちまち日本でも30%近い視聴率をかせぎ、日本のTV界にラブ・コメディの影響作を生み出していった。
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