『スーパーマン』(1952-58)は日本の漫画のヒーロー物、TVヒーローに巨大な影響を与えたアメリカ製のTV番組だが、主人公のスーパー能力の理由が忍術でも格闘や力が強いからではなく、単にクリプトン星人の持っている基本的な能力だからー空も飛べるし、銃の弾丸も跳ね返す強靭な体、鉄棒も軽く曲げてしまう怪力、目からX線を出して壁や物を透かして見えるというアイデアが何よりも斬新だった。ロボットや未来人、宇宙生まれの人間、忍者の子孫だからと主人公のスーパー能力を思いつく幅が広がったのだ。
『スーパーマン』のベスト1エピソードは地球に衝突するコースを進む彗星の危機を防ごうと、宇宙空間へと飛んでいったスーパーマンだがこの回は画面手前に移動マスクで合成される特撮編で、ビジュアルも抜群だった。見事に彗星は木っ端微塵に出来るのだが、彗星の放った放射能を全身に浴びてしまったスーパーマンの身体に異変が起きる。地上に降りたスーパーマンが記憶喪失になってフラフラで自宅に戻る。翌日クラーク・ケントのスーツ姿になっているのにはだけたワイシャツの下にはスーパーマンのSマークの服があった。同僚のジミー・オルセンが訪ねてきてこのままではスーパーマンの正体がバレてしまう。このダブル・サスペンスが子供心に「ウマイ!」と思った一編だった。
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