2017/08/28

第25回 『アウターリミッツ』のスタッフたち

 『アウターリミッツ』には生みの親が3人いた。番組を企画したプロデューサーで監督のレスリー・スティーブンス(パイロット版で第一話として放送された「宇宙人現る」の監督・脚本も担当した)。作品のサスペンスと恐怖を盛り上げる音楽を担当していて最初からスティーブンと話し合っていた作曲家ドミニク・フロンティア(『頭上の敵機』『ラットパトロール』『インベーダー』のTVシリーズの作曲家でもある)。スティーブンスがフロンティアを連れて訪ねた、番組の制作プロデューサーをやってくれないかと映画『サイコ』の脚本を書いて注目されていた脚本・プロデューサーのジョセフ・ステファーノの3人だ。

 「宇宙時代の今、科学が持っている人類の夢と悪夢や危険を主題にしたい」とスティーブンスは語る。「いや、SFを今前面に出すのは早いと思う」とステファーノ。サーリングほどの名手でも『ミステリー・ゾーン』をSFというよりファンタジー、ホラーのタッチで作っているのを冷静に分析していたのだ。「モンスターを前面に出したらどうだろう。科学研究所をフランケンシュタインの古城に見立て、毎夜毎夜怪しい光が見える。実はモンスターを作っていたのだ。これなら誰でも判る」とステファーノ。不安顔のスティーブンスに「シリアスとサスペンス、ホラーは守り抜く。追いかけられる若いカップル普通の人々は必ず出すから」とステファーノ。それで3人のタッグが決まったのだ。科学の脅威を見せるスティーズンスの脚本、悪夢のような科学のホラー・タッチのステファーノの脚本が両極の魅力だった。


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