2017/08/29

第39回 『サンダーバード』のシリーズ構成


 『スーパーカー』から『宇宙船XL-5』『海底大戦争/スティングレイ』と30分物のスーパーマリオネーションのストーリー面のシリーズ構成は、プロデューサーのジェリー・アンダーソンが自ら手がけていた。だが、1時間のTVシリーズでレギュラーの人物だけで10人以上のキャラクターがいる『サンダーバード』は専任のシリーズ構成を作った方がいいのではないかと、ジェリーは考える。ITC製作のミステリーTV『セイント』や『ジョン・ドレイク』にはシリーズ構成の脚本家がいたからだ。

 ジェリーは『スーパーカー』から中心監督として参加しているアラン・パティロー監督にそれを依頼した。パティロー監督は「メカの魅力が強すぎる。毎週TVシリーズとして見たくなるにはレギュラーの人物にもっと魅力を持たせなければ、見たくならない・・・」と思っていた。

 そこでパティローがジェリーに相談したのは「たまにしか出てこないことになっているペネロープとパーカーのスーパー・ロールスロイスをもっと活躍させよう。末っ子のアラン・トレーシーをミンミンと恋仲にして、もっと出番を増やそう。そうするとユーモラスな味がもっと出るんじゃないか」というアイデアだった。スコットランド人であるパティローはイギリス貴族のペネロープと召使いのパーカーであるイメージを出せると考えたのである。パティローはペネロープがモノレールの線路に縛られたり、歌手になったり飛行機の中でファッションショーをやったり、人形劇と思えない脚本を量産、作品のドラマ部分を充実させていった。

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